【偉人ナビ】大久保利通 ― 近代日本の立役者

大久保利通を理解するうえで最も重要なのは版籍奉還と廃藩置県による中央集権化の推進です。

本記事では生没年や幼少期から討幕運動、主要政策成果10点をリスト化し、中央集権体制の確立を中心に解説します。

偉人ナビ　ウソ？ホント？

実は“明治政府のラスボス”と呼ばれていた！？

手早く把握できる大久保利通の生涯功績

大久保利通の生涯功績を手早く把握する鍵は版籍奉還と廃藩置県による中央集権化の推進です。

このリストを活用すれば明治維新における大久保利通の役割が一目で理解できます。

生没年出身地

大久保利通の生没年と出身地はその背景理解に欠かせない情報です。

文政13年（1830年）8月10日〈旧暦〉に薩摩国鹿児島城下高麗町で生まれ、明治11年（1878年）5月14日に東京麹町区紀尾井町清水谷で享年47で没しました。

項目	内容
誕生	1830年9月26日（文政13年8月10日〈旧暦〉） 薩摩国鹿児島城下高麗町
没年月日	1878年5月14日 東京府麹町区紀尾井町清水谷
享年	47歳

生没年と出身地を押さえることで大久保利通の生涯背景が見えてきます。

薩摩討幕運動主導

討幕運動とは幕府打倒を目指した政治運動です。

1867年、大久保利通は精忠組の指導者として西郷隆盛や小松帯刀らと連携し、倒幕密勅獲得に成功し討幕勢力を牽引しました。

この一連の動きが明治維新の原動力となりました。

中央集権化推進

中央集権化とは政府の権限を中央に集中させる仕組みです。

大久保利通は1869年の版籍奉還と1871年の廃藩置県で全国261藩を廃止し県に改め、中央集権体制を確立しました。

施策	実施年
版籍奉還	1869年
廃藩置県	1871年

これらの改革により藩権力が解消し近代国家建設が進みました。

富国強兵殖産興業推進

富国強兵は国力を軍事力強化で高める方針、殖産興業は産業振興による経済発展を意味します。

内務卿在任中の1872年に学制発布で初等教育を普及させ、1873年の地租改正で地価の3％を租税として安定的な財源を確保しました。

富国強兵と殖産興業が推進されたことで近代国家の基盤が築かれました。

紀尾井坂暗殺

紀尾井坂の変は1878年5月14日に発生した大久保利通暗殺事件です。

東京麹町区紀尾井坂付近で不平士族6名に襲撃され、享年47で命を落としました。

項目	内容
日時	1878年5月14日
場所	東京麹町区紀尾井坂
加害者	不平士族6名
享年	47歳

紀尾井坂の変は明治政府内部の緊張を象徴する事件です。

基本情報と初期経歴

大久保利通の生没年と出身地を中心に、家格や元服から幕末・維新期の歩みを把握することが最も重要です。

結論として、彼の下級藩士から中央政界入りまでの経歴が明確に浮かび上がります。

生没年出身地

生没年出身地は人物理解の基盤になる。

大久保利通は1830年9月26日に薩摩国鹿児島城下高麗町で誕生し、1878年5月14日に東京府麹町区紀尾井町で没した。

項目	内容
誕生	1830年9月26日（文政13年8月10日）薩摩国鹿児島城下高麗町
没年	1878年5月14日東京府麹町区紀尾井町

これにより、地方武士として生まれ中央で没した人生軌跡が際立ちます。

家格元服

家格とは藩内での家の身分を指し、元服は武士として大人の儀式を意味する。

大久保利通は下級藩士の家格に生まれ、1844年に15歳で元服を迎えた。

元服によって青年期の公的役割が明確になりました。

記録所書役経歴

記録所書役は藩の文書管理を担う役職を指す。

大久保利通は1849年に19歳で記録所書役助に就任し、その後御蔵役や徒目付を歴任した。

これらの経験で書類管理と藩政運営の基礎を習得しました。

精忠組西郷連携

精忠組は薩摩藩内の志士グループを指す。

1862年に約50名の志士と結成し、西郷隆盛や大山巌らと連携を深めた。

この連携が討幕運動の基盤を形成しました。

倒幕密勅獲得

倒幕密勅は朝廷からの密書で討幕の許可を示す文書を指す。

1867年に二通の密勅を獲得し、公家勢力と連携して王政復古の動きを強化した。

この成果が小御所会議での慶喜辞官納地決定を後押ししました。

主要政策成果10の要点

明治維新期を支えた大久保利通の政策は中央集権の確立が最重要です。

政策名	実施年
版籍奉還	1869年
廃藩置県	1871年
欧米外遊（岩倉使節団副使）	1871–1873年
学制発布	1872年
地租改正	1873年
徴兵令制定	1873年
佐賀の乱鎮圧	1874年
台湾出兵賠償条款締結	1875年
西南戦争指揮	1877年
博覧会開催産業振興	1877年

これらの施策が中央集権体制を揺るぎないものにしました。

版籍奉還

版籍奉還とは、藩主に領地と人民の支配権を中央政府に返上させる改革です。

1869年に約260の藩主が土地と人民の支配権を政府に返上し、中央集権体制の礎を築きました。

土地と人民の支配を中央に一本化しました。

廃藩置県

廃藩置県は、藩を廃して中央政府直轄の県を設置する制度です。

1871年7月に261藩を72県に再編し、地方統治を政府直轄に統一しました。

県制の統一で地方行政が効率化されました。

欧米外遊岩倉使節団副使

岩倉使節団副使としての欧米外遊は、欧米各国の制度を視察した派遣任務です。

1871年から1873年にかけてアメリカ・イギリスなど8カ国を巡り、約2年6カ月の視察で近代化の知見を持ち帰りました。

視察成果が日本の近代制度導入に直結しました。

学制発布

学制発布は、全国に小学校を設置する教育制度の創設です。

1872年に学制を公布し、初年度で約50万人が義務教育を受ける体制を整えました。

義務教育の枠組みが日本の近代教育を支えました。

地租改正

地租改正は、土地課税の基準と税率を定めた改革です。

1873年に地価の3％を税率とし、税収が約700万両から約1,500万両に増加しました。

税制が安定し、政府財政が飛躍的に強化されました。

徴兵令制定

徴兵令制定は、国民皆兵制を定めた法律です。

1873年に公布し、20歳以上の男子に3年ごとの兵役義務を課し、軍隊規模を約15万人に拡大しました。

常備軍の整備で治安維持と国防力を高めました。

佐賀の乱鎮圧

佐賀の乱鎮圧は、不平士族の反乱を政府軍で制圧した事件です。

1874年1月に発生した反乱を政府軍約1万8,000人で鎮圧し、約2週間で終結させました。

政府の武力行使で反乱勢力を封じ込みました。

台湾出兵賠償条款締結

台湾出兵賠償条款締結は、1874年の台湾出兵後に清国と賠償協定を結んだ交渉です。

出兵翌年の1875年に清国から20万両の賠償金を獲得し、日本の外交力を示しました。

外交交渉で明治政府の国際的地位を高めました。

西南戦争指揮

西南戦争指揮は、1877年の西郷隆盛率いる反乱軍との戦いを統括した任務です。

政府軍約15万人を率いて反乱軍を約4カ月で制圧し、内乱収束を果たしました。

大規模内戦終結で明治政府の統治体制が確立しました。

博覧会開催産業振興

内国勧業博覧会は、1877年に上野公園で開催した展示会です。

3カ月間で出展数約600件・来場者約45万人を集め、国内産業の成長を強力に後押ししました。

産業振興の象徴として近代化の成果を広く示しました。

暗殺背景と死因

暗殺に至った背景で最も重要なのは明治維新後の士族の不満である。

紀尾井坂の変経緯

紀尾井坂の変は1878年5月14日に東京・紀尾井坂付近で発生した大久保利通暗殺事件です。

襲撃は不平士族6名によって実行され、馬車で登庁中の大久保を標的にしました。

この事件が政府の警備体制改革を促した決定打となった。

不平士族動機

不平士族とは、廃藩置県などで俸禄停止や土地没収に苦しんだ旧武士階級を指します。

彼らは生活の基盤を失い、官吏登用や軍事任務での昇進機会を求めて不満を募らせました。

これが暗殺の主要な動機だった。

暗殺当日の状況

暗殺当日の朝、午前6時頃に大久保は馬車で紀尾井坂へ向かっていました。

襲撃隊は車の回りを囲み、銃撃後に間合いを詰めて止めを刺しました。

犯行は瞬時に完了した。

死因享年

死因は胸部への銃創による大量失血死です。

享年は47歳でした。

生涯をかけた中央集権化政策は未完に終わりました。

社会影響

大久保利通暗殺は国内の政治的安定に大きな打撃を与えました。

政府は直後に警備体制を強化し、士族反乱を抑え込むため法整備を加速した。

以後、政府は改革推進と治安確保のバランスを重視するようになった。

以上のように暗殺の背景と死因は、士族の不満が引き金となり、その影響は政府の組織と政策に深い変化をもたらしました。

大久保利通概要

大久保利通の人物像を掴むうえで、生没年月地が最重要です。

項目	概要
誕生没年月地	1830年9月26日（文政13年8月10日）に薩摩国鹿児島城下高麗町で生誕、1878年5月14日に紀尾井町で逝去
家族家格	下級藩士（御小姓与）としての家柄
主要役職在任期間	大蔵卿（1871年6月27日–1873年10月12日）、内務卿（1873年11月29日–1874年2月4日／1874年4月27日–1878年5月15日）
代表政策	版籍奉還、廃藩置県、学制発布、地租改正、徴兵令
贈勲位位階	贈従一位、勲一等旭日大綬章

以下に各項目の詳細を示します。

誕生没年月地

誕生没年月地とは人物の生涯を示す出生日と没日、その場所の組み合わせです。

1830年9月26日に薩摩国鹿児島城下高麗町で生まれ、1878年5月14日に東京府麹町区紀尾井町清水谷で没しました。

これにより大久保利通の生涯時期と拠点が明確になります。

家族家格

家族家格とは藩士社会における家柄と身分の位置づけを指します。

大久保利通は下級藩士（御小姓与）の家に生まれ、藩内での出世競争を身近に見ながら成長しました。

この背景が後の中央集権政策への志向を支えました。

主要役職在任期間

主要役職在任期間は幹部としての職責と在任期間を示します。

役職	在任期間
大蔵卿（第3代）	1871年6月27日–1873年10月12日
内務卿（第3代）	1873年11月29日–1874年2月4日
内務卿（第5代）	1874年4月27日–1878年5月15日

これにより財政改革と国内統治が一体的に進められました。

代表政策

代表政策とは政治家の最も評価される施策群を指します。

これらの施策が近代日本の基盤を築きました。

贈勲位位階

贈勲位位階は没後に与えられた位階と勲章を示します。

位階	勲等
従一位	旭日大綬章一等

これにより明治維新史における評価の高さが浮き彫りになります。

よくある質問（FAQ）

大久保利通が暗殺された後、国内ではどのような反応や影響がありましたか？

暗殺直後、政府や新聞は追悼一色となり、明治維新を支えた維新の三傑の一人として大久保利通の死を悼みました。

各地で弔意集会が開かれ、内務省や地方役所では国葬に準じた扱いが行われました。

死因が政治的動機による暗殺と知れ渡ったことで、不平士族問題への対応強化や治安政策の見直しが急務となりました。

西南戦争後の混乱収束を図っていた明治政府は、反乱分子の摘発と処罰を厳格化し、中央集権体制の一層の強化を推進しました。

明治政府で大久保利通が推進した地租改正など主要な政策とは何ですか？

大久保利通は新政府の日本初代内務大臣として、1873年に地租改正を実施しました。

地価の三分の一を税率とし、税収の安定化と財政基盤の確立を図りました。

さらに徴兵令制定で国民皆兵制を導入し、富国強兵と殖産興業を推進しました。

欧米の制度を参考に地方自治制度や警察制度を整備し、中央集権化を一気に進めたことが功績と評価されています。

岩倉使節団副使としての大久保利通の役割と成果を教えてください

1871年に派遣された岩倉使節団で大久保利通は副使を務め、欧米諸国の政治制度や経済体制を視察しました。

視察団はアメリカ・イギリス・フランスなどを訪れ、議会制度や鉄道建設、教育制度のモデルを調査しました。

帰国後、教育制度改革（学制発布）や鉄道建設計画、銀行制度創設などの政策立案に生かし、殖産興業政策に具体性をもたらしました。

大久保利通の人物像や趣味、家族との関係はどのようなものですか？

寡黙沈着で決断力に富み、一度決めた事業は必ず遂行する意志の強さが人物像の特徴です。

家族思いな父親で、土曜を家族団らんの時間に充て、子女を慈しみました。

文人面も併せ持ち、和歌や漢詩をたしなむ一方、碁好きで負けず嫌いな一面があります。

愛煙家として薩摩産のたばこを好み、洋館趣味も見せるなど多彩な趣味を有していました。

大久保利通の書簡や肖像画などの資料はどこで閲覧できますか？

鹿児島市の大久保利通記念館では直筆の書簡や日記の複製を常設展示しています。

東京大学史料編纂所には明治政府公式文書や手紙原本が所蔵され、閲覧申請により学術利用が可能です。

国立国会図書館デジタルコレクションでは肖像画や写真もオンライン公開されており、手紙や演説録も閲覧できます。

各地の歴史資料館や図書館でも関連史料が閲覧可能です。

大久保利通に関する記念日や贈られた称号、年表に関して教えてください

毎年5月14日は「紀尾井坂の変」を追悼する日として、鹿児島や東京で追悼式が行われます。

没後、大久保利通には従一位と勲一等旭日大綬章が追贈されました。

年表には1830年の生誕から1878年の暗殺までを、主要役職在任期間や版籍奉還・廃藩置県、学制発布などの出来事とともにまとめると見やすく把握できます。

学術書や評伝には詳細な年表が付録されているため、レポート作成に活用できます。